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[海外旅行-02] U.S.A. - Las Vegas & Grand Circle 13話

アメリカの国立公園では、軽装でトレイルを歩く人が多い、という話の続きを。
3つ目の理由として、これが最も根本的なのだと思うのだけど、アメリカは自己責任の社会であるということが大きい。

日本にもアメリカにも、自然環境の中で危険な場所は沢山ある。
日本では、事故を防ぐために、危険な場所に人を入れないことが、その場所の管理者の義務とされる。
お節介なくらいに警告し、又は立入禁止の措置を講じないと、事故が発生したときに割と厳しく管理責任を問われる。
だから、険しい自然や奥深い自然は、入口の敷居が高くなる。相応の覚悟がある者だけが、足を踏み入れる。

対して、アメリカは危険な箇所があれば警告くらいはするけれど、人を追い返すようなことはまずない。
法的には日本と同じような管理者責任があるようだけど、まともに機能しているとは思えない。
遭難事故や滑落事故がしばしば発生するような場所でも、閉鎖されたり改良されたりすることは少ない。
「行きたければどうぞ。頑張ってね。」というノリだから、あまり来る者に警戒心を抱かせない。
その結果、とんでもない山道を、近所の散歩の気分で歩き出す者が、後を絶たない。



Zion国立公園で、Angels Landingのトレイルに挑戦する。
一見、どうやって登れば良いか分からないくらいの絶壁だけれど、道はちゃんと拵えてある。
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岩壁の下まで辿り着くと、そこからじぐざぐの道が始まる。
崖を無理矢理に登る道なので、遊びの部分(踊り場)は少なく、この部分は体力的になかなか厳しい。
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登りきると、岩山と岩山との間の、小さな谷間に出る。
これをさらに詰めて、写真の右側のAngels Landingの尾根まで上がる。まだしばらく、楽じゃない登りが続く。
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その尾根筋に着いた。右も左も、とんでもなく険しい崖になっている。
Angels Landingが、いよいよ本性を曝け出す。
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まずは目の前の盛り上がった部分を超えて、尾根をさらに先の方へと進む。
左側は垂直の崖で近寄れないので、斜めになっていて足場の確保できる右側から攻める。
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景色だけでなく、足元もやばくなってきた。
Grand Circleによく見られる、滑りにくいざらざらした岩なので、実際には鎖がなくても歩けるが・・・。
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そして、Angels Landingの本丸とご対面。
目指す場所、トレイルの終点は、あの将棋の駒のようにそびえる岩山のてっぺん。
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ここで二の足を踏む者も沢山いたけれど、自分は行くと決めたら行く。
道は狭く、両側は冗談抜きでやばい。高低差が約400mの、垂直の絶壁。下を見たら動けなくなる。
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こんな痩せた尾根に、草木が普通に生えていることに、少なからず驚かされる。
元々は普通の山だったのが、両側から絶妙に水平に削られていって、「残されてしまった」植物なのだろうね。
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行く道そのものは、そこまで険しい登りではない。
ロッククライミングのように、三点支持が必要な箇所というのは、特になかった。
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太陽に向かって登っていくような、意外と気持ちの良いトレイル。途中から感覚が麻痺して、そう思えてくる。
もちろん、足を踏み外すと、違う意味でお空に昇っていくことになる。
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やばい道を進むこと30分くらい、ようやくトレイルの終点が見えてきた。
猫の額ほどの山頂のスペースで、先客がのんびりしている。
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山頂から、Zionの谷の下流を見渡す。Zion LodgeとかVisitor Centerがある方向。
Angels Landingは、谷の真ん中から突き出したような位置にあるので、景色がとても見えやすい。
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しばし景色を堪能した後、実は登りよりも恐ろしい下山を始める。
登るときは足元だけ見ていれば良かったけれど、下りでは否が応にも周りの景色が目に入る。
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あまり景色に変化はないので、下りに撮った写真は少ない。
また、昼近くなって登る人が増えてきて、すれ違いのために何度も待たされて、あまり気分は良くなかった。
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一度、勇気を出して、崖から下を覗いた写真を撮ってみた。
繰り返すと、下の地面との高低差は約400mある。
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ようやく、道が平らになって安心できる場所まで戻ってきた。
これで生きて帰れると、確信できた瞬間だった。
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トレイルの前半にあった、じぐざぐの坂を下る。ここも良い景色。
前半は体力勝負、後半は度胸の勝負。Angels Landingは、なかなか厳しいトレイルだった。
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下まで戻ったところで、先程まで上にいたAngels Landingの岩山を振り返る。
改めて、あっち側もこっち側も、すごい断崖絶壁だ。
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トレイルの入口まで戻ってきた。これで、Grand CanyonのPlateau Pointに続き、Angels Landingも達成!
それにしても、どこの誰が、こんな狂気じみたトレイルを考え付いたのだか(苦笑)。
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この後は、疲れでちょっと眠くなったけれど、気合いで我慢してLas Vegasまで3時間くらいのドライブ。
無事にこの旅行の出発点に戻り、無事に車を返すことができた。
天気にも恵まれて、とても面白い旅になった。
でも、Angels Landingは、もう御免だな(笑)。
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[海外旅行-02] U.S.A. - Las Vegas & Grand Circle 12話

Grand Canyonに限らず、アメリカの国立公園のトレイルを歩いていて、気が付いたことがある。
それなりに登る体力や技術を要する道であっても、軽装備で臨んでいる人が少なくない。
自分も大抵はスニーカー、ジーパン、スウェットとウィンドブレーカーという軽装備で歩いているけれど、既に紹介したBright Angel Trailのようなところでさえ、Tシャツ、短パン、サンダルという格好の人を何度も見掛けた。

理由として考えられることは、いくつかある。
まず、トレイルを歩く者の大多数を占める白人は、日本人に比べて気温の変化に強いこと。
自分がウィンドブレーカーのチャックを一番上まで閉めるような寒さの中でも、連中は平気で半袖で歩いている。

次に、アメリカの国立公園のトレイルは、日本の登山道に比べて心理的な敷居が低いと思われること。
日本の登山道は、起点が既に結構な山奥にあることが多く、そこに着くこと自体が一種の冒険になる。
だから、(あまり大したことがない山でも)生半可な気構えで登り始める人は少ない。
対して、アメリカの国立公園は、車で気軽に入園できて、トレイルの起点へのアクセスも容易なことが多い。
そこからピクニック気分で、「ちょっと歩いてみよう」という乗りで歩く人が多いように思う。

(※長くなりそうなので、この話は次の記事に続く。)



8日目、Zion国立公園を訪れている。
シャトルバスで谷の道路の一番奥まで来た。ここからさらに、川に沿って奥まで歩けるトレイルがある。
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谷は段々と狭くなり、険しい岩壁が迫ってくる。
写真の右側(左岸)に歩道があるの、分かるかな。
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このトレイルは、30分も歩けば終点に達する。
一見ただの河原だけど、ここはZion国立公園を代表する特殊なトレイルの起点になっている。
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ここから主に川床(つまり川の中)を歩いて、上流へと遡って行くことができる。
"Narrows"と呼ばれるトレイルで、川に滝がないため、その気になればいくらでも遡っていけるという。
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この日は気温が25℃を超える陽気で、自分もNarrowsを歩いてみたくなった。
しかし、靴と靴下を脱いで川に入ると、春の雪解け水はまだ冷たく、30秒も耐えられずに岸に戻るはめになった。
本気で上流に向かう人は、大抵、長靴やウェットスーツのようなもので「武装」していた。
やはり、自然を甘く見てはいけない。


気を取り直して、別のトレイルも歩いてみる。
谷の本流ではなく、枝分かれしたところに入っていく、Emerald Poolsというトレイルへ。
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歩道に近い草むらにて、エルクの雌を発見。
道行く人々が皆立ち止まって写真を撮るので、後から来た人もすぐに分かる。
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Emerald Poolsと複数形になっているだけあり、下流から上流にかけて、いくつかの池がある。
全然「エメラルド」じゃないけど、最も下流にあるLower Emerald Pool。上から降っている水は、雨ではなく小さな滝。
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その滝をくぐるようにして、道は上流へと続いていく。
段々と難易度というか歩く負担が増していくので、先に進むにつれて人は少なくなっていく。
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Lower Emerald Poolまでは、整備された平らな歩道だったけれど、ここからは狭い登りの道になる。
とは言え、Zion国立公園まで来るような人々にとっては、このくらい朝飯前か。
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20~30分くらい進むと、2つ目の池が現れる。
池と言うか水溜まりだけれど、これがMiddle Emerald Pool。先程の小さな滝の真上に当たる。
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ここから奥は、半分くらい獣道のような、面倒くさい歩きになる。
正直なところ、「Middleまで来た以上はUpperまで」という意地だけで歩き続けた。
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ここが終点のUpper Emerald Poolで、谷を歩いて進める一番奥の場所。
写真では撮りきれないけれど、正面の岩壁は枯れた滝で、見上げると崖の上に川が続いているようだった。
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Emerald Poolsで結構歩いてしまったので、戻るともう17時過ぎ。
谷底の夕暮れは早いので、暗くならない内に宿へ。この旅行の最後の宿である、Zion Lodgeへ。
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ここも本部棟と客室棟とが分かれていて、チェックインしてから部屋まで少し歩く。
左側が2階建てのロッジで、右側が部屋ごとに独立しているキャビン。
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そして部屋の中。
前夜のBryce Canyon Lodgeと同じような感じ。(結構な)値段相応に整っている。
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本部棟で夕食にする。まずパン、サラダ、スープ。
サラダとスープはセルフサービスで、「席からサラダ/スープバーまで1往復だけして良い」という書き方だった。
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前日が鶏肉だったので、今日のメインは牛肉。
例によって無駄に凝った名前が付いていて、"Kayenta Beef Tenderloin Medallions"というらしい。
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明けて最終日、9日目。
谷底の朝は遅く、なかなか太陽が昇ってこない。
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今日は、Angels Landingという、なかなか狂気じみたトレイルを歩く。
このトレイルに挑戦したいけれど、無事に戻ってこられるだろうかと、計画のときからずっと懸念していた場所。
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最初は河原の平坦な道を歩いて、目指す山というか岩に接近する。
目標は、写真の中央に写っている、将棋の駒のようにそびえる岩。
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次回の記事で、この旅行の最後にして最大の難関に挑む。
生きて戻れて良かったと思える、今思い出しても手汗が出てくるところ。
写真でも多分、やばさが伝わると思う。

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[海外旅行-02] U.S.A. - Las Vegas & Grand Circle 11話

アメリカの国立公園は、入口で入園料を徴収される。
車やバスは1台いくら(車体の大きさにより異なる)、あまりいないだろうけど徒歩なら1人いくら、で課金される。
1人でも4人でも車1台なら同じ料金、バスツアーの場合はツアー会社が払うだけで乗客は払わなくて良い。
料金は公園ごとに異なるけれど、普通車1台は概ね10~30ドル米くらい。
近年は、人気の高い国立公園を中心に、30米ドル前後への統一的な値上げが進んでいるという。

日本から1つか2つの国立公園を目当てに旅行してくる分には、その都度支払っても構わないかも知れないけれど、アメリカに在住して短い期間にいくつも回るような場合には、80米ドルの年間パスを買うとお得になる。
正式名称はAmerica the Beautiful - The National Parks and Federal Recreational Lands Passというらしい。
公園の外に宿を取って、何度も出入りするような場合にも、年間パスがあった方が良いかな。

国立公園には、基本的に料金所である有人ゲートを通らないと入れないのだけど、実はちょっとした「穴」がある。
これは違法行為を助長する趣旨ではなく、純粋な事実を述べるものだけど、夕方から早朝にかけては入口の監視員がいなくなってしまい、ただしゲートはほとんどの場合は開いたままなので、その時間帯は入園料なしで入り込めてしまう。
夜の国立公園なんてあまり面白くないけど、そのまま園内で夜を明かせば、翌日はタダで楽しめるんだろうな。
もちろん、良い子はそんな真似してはいけません。



Bryce Canyon国立公園で、Navajo Loop Trailというトレイルを歩いて、崖の下に下りてきた。
「この先通行止め」からもう少し先に進めるようなので、行けるところまで歩いてみる。
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尖塔が密集している場所に、下から近付いていく。
上から見下ろすと、先細りしていてちょっと頼りないけれど、こうやって見るとなかなか迫力がある。
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こんな狭い場所からも、逞しく木が生えてきて、尖塔の間から空に顔を出そうとしている。
トレイルはこの少し先で閉鎖されていた。
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Navajo Loop Trailというだけあって、道は環状になっている。
閉鎖されている部分に反対側からアプローチすると、こちら側はこういう場所で閉ざされている。
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つまり、尖塔の密集エリアを洞窟のように潜っていくところ(距離にして僅か数百メートル)だけが閉鎖され、「O」の字の形だったループが「C」の字の形で(9割以上が)開放されている、ということだった。
残雪で下がぬかるんでいるとか、上から残雪が落ちてくるかも知れない、ということなんだろうけど、実際にはそういう危険は感じなかった。恐らく、毎年このくらいの時期までは閉鎖、とマニュアル的に運営しているんだろうな。


少しだけ他のトレイルも歩いてみて、足が疲れない内に上に戻った。
そして、今日の宿のBryce Canyon Lodgeへ。ちょっとお高いけど、なるべく園内に泊まってみたいというこだわり。
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本部棟と客室棟とは別になっていて、客室棟はこのような2階建ての建物がいくつかある。
建物の周りに、結構雪が残っていることに驚かされた。
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泊まった部屋の内部。1階で森に面していた。
しかし、窓の外には残雪が雪山になっていて、景色は何も見えなかった(苦笑)。
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まだ明るいけれど、本部棟のレストランで夕食にする。
やはり、スープとサラダから始める。
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今日は鶏肉の料理にする。
"Sunset Point Chili Lime Baked Game Hen"という。要は、その辺の牧場で育てられた鶏なんだろう。
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翌朝、8日目も早い時間に起きて、綺麗だと言われるBryce Canyonの日の出を見に行く。
4月は既にサマータイムなので、これが朝7時を少々回ったくらい。
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Grand Canyonと同様、日の出そのものよりも、朝の陽に炙り出される谷の景色が良いのだと。
それを見るためには、日の出からしばらく待たなければならず、結構寒かった。
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そして朝食、ブッフェではなく単品にした。
"Panguitch Pancakes"というらしい。ちなみに、コーヒーは普段あまり飲まないけど、旅行中はよく飲む。
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Bryce Canyon国立公園の見物は一通り済ませたので、午前中に最後の目的地であるZion国立公園に向かう。
入口は2つあって、Bryce Canyonに近いのは裏口のような小さなゲート(Las Vegasから来ると正門に至る)。
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Zion国立公園の中心部へと向かう道。曲がりくねって走りづらいけれど、週末なので車は多かった。
Checkerboard Mesaと呼ばれる、縦横に升目のような模様がある大きな岩山がある。
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さらに奥の方へ。ようやくZion国立公園の中心部である谷が見えてきた。
路肩が膨らんだ駐車場になっていて、そこに停めて写真を撮った後、戻るときにうっかり左車線に入りそうになった。
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Zion国立公園でも、まずはVisitor Centerを訪れる。
歩いてみようと思っているトレイルの、より正確な情報をここで仕入れていく。
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屋外に置かれていた、Zion国立公園の立体地形図。
ここはGrand CanyonやBryce Canyon国立公園と異なり、広い谷底が人の入れるエリアになっている。
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Visitor Centerの駐車場から、谷の上流の方を眺めて一枚。
ここから奥への自家用車での立入りは禁止されていて、来園者はここに停めて、いわゆるPark & Rideを行う。
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このような無料のシャトルバスが、園内を絶えず行き来していて、点在する見所へはこれでアクセスする。
車体に野生動物の絵(写真)がペイントされているのが特徴。狼や鷲なんかは良いけど、蜘蛛は嫌だった。
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Visitor Centerから谷を少し遡ったところにある、Court of the Patriarches(司教の宮殿)と呼ばれる岩山。
この三つ子みたいにそびえる様子が、重々しい司教の雰囲気に似ているのだろうか。
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残り1日半、Zion国立公園の散策にあと2回分の記事を充てる予定。
ここは谷底から眺め上げるだけでは平凡だけど、谷にアタックするいくつかのトレイルが秀逸。
Zion国立公園で歩き回るために、Grand Canyonから後は緩めにして、回復に努めてきたのだった。

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